『星の王子さま』を読み返しました

こんにちは。秘密を晒してますか?野村です。

僕は秘密を晒しません。いや、ブログのネタがなくなったら晒すかも。

はい。本題です

てなわけで『星の王子さま』を読み返しました。
ラストに差し掛かかるときの張り詰めていく感覚をまた味わいたくなったのですよ。
ネットで読むこともできるけど、どうせなら読んだことない訳にしたくて図書館から光文社の文庫を借りてきました。


サン=テグジュペリ『ちいさな王子』 (光文社古典新訳文庫) 野崎歓 (翻訳)

んで、終盤。以下のセリフを見て何かを連想しかけたのです。その何かが思い出せない。

「砂漠がきれいなのは、どこかに井戸を隠しているからなんだよ……」
(サン=テグジュペリ『ちいさな王子』野崎歓訳 光文社 より)

もどかしさに苛まれながら数十秒、ついに判明したのが以下のもの。

「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」
(世阿弥『風姿花伝 第七別紙口伝』より)

日本伝統芸能の巨人・世阿弥です。

この「秘すれば花」という言葉、以前興味を持って調べたことがありました。
調べたものの中に「意外性のある展開を観客に予知されるようではいけない」というような解説があって、なんだか幻滅したのを覚えている。
僕が期待していた解説は「沈黙をもって語りかけよ!」のようなものだった。少なくとも僕は「秘すれば花」という言葉の響きからそう感じとったのですよ。

沈黙はマジック。各自の解釈を受け手が勝手にメッセージと錯覚することがある。それができれは表現者冥利に尽きるのじゃないだろか?

『星の王子さま』は、読み手の心の中に花を咲かせる名作です。
それぞれに違う花が咲き、読むたびに違う花が開く。
世阿弥が言うところの「人々心々の花なり」そのものと思えてならぬ。

んなわけで、今回はこれにて。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

野村 野村のプロフィール
枕は高いほうがいい。高いほうが本を読みやすいのですよ。なので広めのタオルケットを何重にも折りたたんでその上に枕を載せてその上に頭を載せてたりする。