香山リカ『文章は写経のように書くのがいい』で文章セラピー

こんにちは。ボキャブラリーは豊富ですか?野村です。

僕は貧弱です。でもそれを恥じてはいけない。
そんなことに気付かされた一冊を紹介します。

香山リカ『文章は写経のように書くのがいい』

今回は香山リカ氏による文章術です。

香山氏は多くの著作をリリースされてます。でも本業は精神科医。プロのライターじゃありません。
ならばきっと、プロによる文章指南とは一味違ったことが書いてある、そう期待してこの本を手に取ったのですよ。

で、読んでみたところ、一味どころか大きく異なっている点がありました。
「自己完結型文章」を書くことを奨励してるのです。
多くの文章術の本では、声をそろえて「読者の身になって書け」と言っているのにね。

大切なのは「まず、自分に理解させる」こと。そのための「自己完結型文章」とのことです。

本書は「ウケる文章を書きたい」「プロに近づきたい」という欲求に直接応えるものじゃありません。
そういった邪念を捨てるための本なのですよ。
いわば、文章力を鍛えるのではなく、文章によって「自分をトレーニング」する本です。

何も考えず、一定のペースで、サクサク

本書には「何も考えず書く」「一定のペースで書く」「サクサク書く」というアドバイスが幾度も登場します。

いままで僕はサクサク書けたためしがなかったのですよ。
たった一行進めるだけでずいぶん時間がかかってた。書いたり消したり止まったりを繰り返すのです。
さすがに変だと思いつつも「ボキャブラリー不足だから仕方がない」とあきらめてました。

でもそれは間違い。
試しに文字を打つ手を極力止めずに文章を打ってみたところ、以下のことに気付いたのです。

・ボキャブラリーが少なかろうが文章は書ける。
・「能力不足」が「サクサク」を邪魔するのではなく、「能力不足を恥じる気持ち」が「サクサク」を阻む。

問題なのは「うまく書きたい」「認められたい」という思いにとらわれること。
そんなのを抱えていると、執筆が遅くなるだけじゃなく、自信を無くしたり、あせったりして悪循環に陥ってしまう。

この煩悩を振り切るには悟りを開くまでもない。
手を止めずに書き進むだけでOKだったとは!

てなわけで今回はこれにて。

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野村 野村のプロフィール
枕は高いほうがいい。高いほうが本を読みやすいのですよ。なので広めのタオルケットを何重にも折りたたんでその上に枕を載せてその上に頭を載せてたりする。