こんにちは。夏を満喫してますか?野村です。
先週、appleさんが海での過ごし方についての記事をアップしたので、僕も海関連?で書きますよ。
東京生活で一番のカルチャーショック
僕が東京に住んでいたときにくらった一番大きなカルチャーショックは「肝油」です。
ここでいう「肝油」とは、河合製薬株式会社の「カワイ肝油ドロップ」のこと。
砂糖をまぶしたグミのような感じ。でもおやつじゃなくて医薬品。薬局で売ってます。
肝油とともにあった日々
ここ富山では、幼稚園や小学校での給食の時間に必ず肝油を配られるのですよ。
今もなのかな?とりあえず僕の世代はそうでした。
夏休み前日ともなると、休みの日数分の肝油を持たされたりしたもんです。
とにかく、少年時代は常に肝油とともにあったといって過言じゃない。
それから時が過ぎ、東京の某企業で契約社員として働くようになったある日のこと。
職場での昼休み、鼻血の話題で盛り上がっていたとき、僕が「下校中、夏休みの肝油を一気食いした奴がいてさぁ〜」と切り出しました。
でも周囲には全く通じない。誰も肝油を知らなかった。衝撃です。
なので同僚や上司だけに及ばず、他の部署まで顔を出し、肝油の知名度調査を決行したのです。結果は散々。
執拗なまでに肝油を児童に摂取させてた県は富山くらいだった。
思いのほかハード
で、その晩、薬局で買った肝油を頬張りつつネットで肝油をリサーチしたところ、こんな情報を仕入れたのです。
「『老人と海』の主人公は、毎日肝油を飲んでいる」
以上が僕と『老人と海』との出会い。
名高い作品であることは知ってたけど、それまで手に取ることはなかったのですよ。
なんかこう、しみじみとしたタイトルだったからかな?
でも、読んでみると思いのほかハードな内容。腕の痛みまで伝わってくるような臨場感。
きっと主人公は「老人」といえるような年齢じゃないですよね。タイトルで損してるんじゃないかな?
早く教えてくれれば十代の時に読んでいたはず。
たいていの漁師は、その味を嫌っていた
当時買った文庫は引越しの際に処分したので、今回の記事を書くために図書館で借りました。
で、再確認しましたよ。確かに主人公はサメの肝油を毎朝カップで一杯飲んでます。
漁師たちが共同で道具置き場にしている小屋があって、その中にある大きなドラム缶にサメの肝油が入れてあって、その肝油は希望すれば誰でも無料で飲めるとのこと。
あと、このあたりの説明が宣伝文句みたいでちょっと面白かった。引用します。
たいていの漁師は、その味を嫌っていた。しかし、朝起きの辛さに比べれば味の悪さなど問題にならなかったし、風邪やインフルエンザの予防には大変よく効くし、目のためにもよかった。
(ヘミングウェイ『老人と海』中山善之訳 柏艪舎)
皆が嫌う肝油をひとりで飲む老人。どことなくハードボイルド。
当時はカップで飲むものだったのですな。鼻血が出ないか心配だ。
ちなみにジーン・ウェブスター『続あしながおじさん』にも肝油が登場するとのこと。
感想を書きました。
んでは、今回はこれにて。