その花を口にしたら死にいたることもある一方、葉は命を救う薬草にもなる。
(ヨースタイン・ゴルデル『ピレネーの城』畑澤裕子・訳 NHK出版 より)
こんにちは。誠実に暮らしてますか?野村です。
今回紹介する本の表紙には、群生するジギタリスが描かれていました。
終盤を飾る印象的な場面です。
花言葉は「不誠実」「熱愛」。この物語にぴったり。お見事。
物語の世界観自体が推理の対象
というわけで、ノルウェーの作家、ヨースタイン・ゴルデルが2008年に発表した小説『ピレネーの城』を紹介します。
ゴルデルといえば、世界的なベストセラー『ソフィーの世界』です。
随所に哲学講義を織り込んだ小説でした。対象は中学生くらいからかな?
講義内容にリンクした舞台構成というか、物語の仕掛けに面食らったもんだ。
一方、今回読んだ『ピレネーの城』は、大人向けの恋愛もの。なんだか意外です。
主人公2人は、30年ぶりに再会した元恋人同士。
互いにパートナーも子供もいる身であれど、浮かれつつメールで濃密な議論に明け暮れる、という内容。
いわゆる書簡体小説で、メールの文面のみで進行します。
最初は、当事者にしか通じない人名や用語が飛び交っていて戸惑いました。
でも最後には全てが明らかになり、30年前に2人が別れるに至った経緯が判明します。
男は唯物論を信条とする学者、女はスピリチュアル系の高校教師。
この物語の世界が、どちらの世界観に合致しているのか推理しながら読むと面白い。
そういった面では特殊なミステリーの一種なのかも。
さて、この再会は偶然か必然か?
てなわけで今回はこれにて。
コメント
野村, thanks so much for the post.Really thank you! Keep writing.
thank you for reading!
本当にありがとうございました()
どういたしまして