「きみは、正面突破しようというわけか」ミルカさんがすかさず口を開いた。
「そうだね」
(結城浩『数学ガール』SoftBank Creative より)
こんにちは。アグレッシブに生きてますか?野村です。
アグレッシブといえば「攻撃的」とか「侵略的」。
でも「積極的」というポジティブな用法もあるとのこと。覚えておこう。
結城浩『数学ガール (数学ガールシリーズ 1)』(SoftBank Creative)
シリーズものです。でもどの巻から読んでも面白い。
とはいえ、どうせ読むなら1作目から順を追うのが断然お勧めです。
やはり、登場人物の成長を眺められるほうがいい。
あと、巻を重ねるごとにキャラクターが増えるので、それぞれの初登場シーンを堪能できますよ。
1作目の発売は2007年。
当時、好評と聞いていたのだけど、自分としては「どうやらライトノベルの体裁の数学講座らしい」という認識で止まってました。
なんとなく想像がついた気がして、手にとることなくやり過ごしたもんです。
対話こそメイン
それから時が過ぎた2015年頃、ひょんなことから3作目にあたる『数学ガール ゲーデルの不完全性定理』を友人から貰ったのです。
で、実際読んでみると、勝手に思い描いていたような数学講座じゃなかった。
通常、対話型講座という形式は、読者の理解を促すための手段のはず。
でもこのシリーズは違う。対話こそがメイン。
登場人物たちはそれぞれ思惑をもって数学の対話を求め、楽しんでいる。
居てもたってもいられず、1作目から順に図書館から借りて読み漁りました。
数式が生きている
そんなこんなで今回、1作目を読み返してみましたよ。
問題同士が微妙に絡み合っていて、最後の問題まで繋がっているのが見事すぎる。
問題の取捨選択や順序など、構成を念入りに詰めたことが伺えます。
登場人物が語りながら展開する数式は、まるで息を吹き込まれているかのように鮮やか。
以前解いた数式が別の問題を展開するうちに現れたときは感動もの。
数式の意味を厳密に理解できなくても楽しめます。というか、楽しめました。
キャラクターについて語ると長くなるから割愛するけど、やはり1作目のヒロインその1はアグレッシブ。実にいい。
追記
つい先ほど知ったのだけど、シリーズ第6弾『数学ガール/ポアンカレ予想』が2018年春に刊行予定とのこと。
読んだら感想を書くつもり。
てなわけで今回はこれにて。