それはあたかも、神がいなくなって、神に奉仕する必要がなくなったことで、いっそう自由に翼を羽ばたかせているかのごとくである。
(岡田温司『天使とは何か キューピッド、キリスト、悪魔』中公新書 より)
こんにちは。神はいなくなったのでしょうか?野村です。
いるいないに関わらず、クリスマスは今年もやってきます。
天使は、思い描くものです
天使といえば、子供の頃に見たアニメ『フランダースの犬』の最終回を思い出すのですよ。
翼のある幼児が天から主人公を迎えに来るシーン、まさに神がかった名場面。
これで自分の中の天使のイメージが固着したわけだけど、いざ聖書を読んでみれば、「神の使い」が登場するものの、どことなく様子が違う気がして戸惑ったものです。
そう、天使って、考えれば考えるほどわからない。
というわけで、 岡田温司『天使とは何か キューピッド、キリスト、悪魔』という新書を手に取りました。
聖書や聖書の外典、絵画、文学、映画などから題材をとりながら「天使」を追求するという内容です。
本書を開いてみると、やはりというか、思っていた以上に天使ってアイマイな存在ということが分かります。
人間臭かったり、単なる現象のようだったり、多神教の神を思わせたりと多彩な天使像を垣間見れました。
キリスト教⇔異教、正統⇔異端の間を行き来し、姿を変え続けるさまは、あたかも定義づけられることを拒んでいるようでもある。
とにかく「調べて理解するものじゃない」ということで納得するしかない。
天使は思い描くもの。おそらくそれが正解。
絵画や図版の中の天使たちは、時代を追って新しい楽器を手にしています。
ならば、21世紀の天使は何を使って音楽を奏でるのだろう?
スマホかな?
というわけで、今回はこれにて。