タロットというカードゲームの枠組みは、さまざまな人々の「深読み」が積み重ねられ、さまざまな思想や世界観を映し出す鏡としても機能してきたのである。
(鏡リュウジ『タロットの秘密』講談社現代新書 より)
こんにちは。深読みを重ねてますか?野村です。
前々回に引き続きタロットの話題です。
「占いだけが楽しみ方じゃない」と知り2冊目を手に取りました。
いっそカードも買ってしまおうと思ったけど、今はまだいいかな?
タロットを裸にする
というわけで、今回読んだのは鏡リュウジ『タロットの秘密 (講談社現代新書)』。
発生、普及、文化的な展開を中心に、図像の分析、簡単な占い方までがカバーされていました。
これだけの内容が300ページあまりの新書に収められているのが驚き。
本書で試みられているのは、いったんタロットを裸にすること。
過剰に盛り込まれた神秘的イメージを引き剥がし、愛情をもって見つめ直します。
そこから「タロットは鏡」という携え方を導くのです。
にわかに興味をもった自分にとって、受け入れやすい結論でした。
鏡としての役割を洗練させつつ、これからもタロットは変化を続けていくんだろな。
由来のわからない図像
最近まで「タロットの図像にはそれぞれにモチーフがある」と思ってたのですよ。
以前の記事で紹介した「運命の輪」もそうだし、「審判」などは聖書が由来。
ところが、何を元としているのか判明していないカードもあるとのこと。
そのひとつが「星」です。
星空の下、女性が2つの壺から液体を注いでいる。片方は川へ。片方は大地へ。
不思議な図柄です。何からの借り物じゃない、タロット独自の構図なのかも。
こういったカードにも何らかのモチーフがあるものとして、古い絵画や文章から探してみるのも面白い。
今までと違った本の読み方ができそう。
タロットは「何が描かれているか」より「何を読み取るか」が大事なのだろうけど、こんな謎の追い方もアリじゃないだろか?
てなわけで今回はこれにて。