酔は時空を超越する、いや撥無する、昼夜なく東西なく、酔境は展開する!
(種田山頭火『其中日記(九)』より)
こんにちは。「アキレスとカメのパラドックス」をご存知ですか?野村です。
「足の速い者が足の遅い者を追いかけても、決して追いつけない」というものです。
現実には追いつけるのだけど、理屈では追いつけない。
これがどんな理屈なのか興味のある方は、ぜひWikipediaの「ゼノンのパラドックス」という項目をご覧ください。
さて、本題です。
僕が「アキレスとカメのパラドックス」を知ったのは小学生の時。
赤塚不二夫のマンガ『ニャロメのおもしろ数学教室』で紹介されてたのだけど、意味がさっぱりでした。
ところが中学に上がったある日、唐突に気付いたのですよ。
その論理になんら矛盾がないことを。
で、この驚きを誰かに伝えようと、僕なんかよりはるかに頭のいい友人に話しました。
拙い説明であれど、なんとか理解してもらえた様子。
そして友人は少し考え、こう言ったのです。要約するとこんな感じ。
1. 理屈は納得した。しかし、現実と食い違っている。
2. ということは、理屈の前提が間違っている。
3. その間違った前提というのは「時間や空間は無限に分割できる」に違いない。
面喰らいました。
確かに僕は、時間や空間が無限に分割できることを自明と思い込み、確かめてない。
つーか、確認は無理。
なんだか悔しくて反論したかったけど、できぬまま時が過ぎ、高校が別になり、疎遠となってしまった。
今もたまに「アキレスとカメのパラドックス」について考えてます。
友人の上をいく解釈がないものだろうか?……僕には思いつかないなあ。
赤塚不二夫『ニャロメのおもしろ数学教室』
ちなみに『ニャロメのおもしろ数学教室』は復刊しているのですよ。
内容は数学史。
ゼロの発見から非ユークリッド幾何学までテンポよく取り上げています。
アキレスとカメのお話は、目玉の警官とドロボーの追いかけっこで再現してました。
お子様がいる方は、こっそり子供部屋の本棚に忍ばせてみてはどうでしょう?
んでは、今回はこれにて。