トーマス・トウェイツ『人間をお休みしてヤギになってみた結果』

心の中で時間旅行ができるという能力が、僕達人間を計画性のある策略家にしてくれるものの、同時に悩ませ、そして後悔させるのだ。
(トーマス・トウェイツ『人間をお休みしてヤギになってみた結果』村井理子・訳 新潮文庫 より)

こんにちは。目標に向かって邁進してますか?野村です。

数値を想定することばかりが目標じゃないと思うのですよ。
なにかこう、スカッとした目標とズバッとした計画を立て、ドカッと実行に移してみたいもんです。

人間をお休みする方法

というわけで、トーマス・トウェイツ『人間をお休みしてヤギになってみた結果 (新潮文庫)』を読みました。

最終目標は、ヤギになってアルプス超えをすること。
33歳独身デザイナーがヒトであることから全力で逃避する科学ドキュメンタリーです。

ヤギになるために動物行動学、脳、消化器、骨格などのスペシャリストのアドバイスを受け、一歩ずつ前進する姿が素敵すぎる

中でも鬼気迫っているのが、ヒト特有の思考をストップさせようとする場面。

トーマスは、ヒトと動物の違いを「心の中で時間旅行できる能力」と結論付けるのですよ。
簡単に説明するならば「過去を思い出したり、将来を想像したりする能力」。
時間感覚を切り、完全に瞬間瞬間を生きるようになれば、過去の後悔や将来の不安から開放されると考えたわけです。

それで言語神経科学の専門家のもとを訪れます。
「経頭蓋磁気刺激というプロセスを使い、一時的に脳仮想病変を引き起こす」
といってもよくわからないですよね。
つまりは超強力な電磁コイルで「大脳皮質をビシッ」とすることで、ヒトとヤギとの垣根を取り払おうという魂胆。

目標に対し、何が障害になっているかの見立て、解決法、その両方の発想が驚異的。
そしてちゃんと実行に移す。
とてもじゃないけど真似できません。

てなわけで今回はこれにて。

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枕は高いほうがいい。高いほうが本を読みやすいのですよ。なので広めのタオルケットを何重にも折りたたんでその上に枕を載せてその上に頭を載せてたりする。